スナップスナップの導入のきっかけを教えてください。
スナップスナップが来る前に2社使ってました。
2社目に使っていた会社が、写真販売事業を別の会社に売却したら、なかなかうまくいかなくて、そことは契約を切りました。
(その後に)全国の若手園長の交流会があって、知人から「スナップスナップがいいですよ」と聞いて「じゃあそれちょっと紹介して」とお願いしました。
——紹介のご縁があって導入というかたちになったのですね。
スナップスナップ導入前の1社目・2社目もオンライン販売だったのでしょうか?
1社目から全部オンラインです。2000年からやってます。
——長く続けてらっしゃるんですね。どういった経緯で始めたんでしょうか?
今はやってないんだけど、1年の流れを写真を使って、「1年の生活」って紙焼き(※1)の写真を貼って見せていたんです。例えば4月はこういう行事があって、こういう生活を送りましたよということを、今のホームページと同じように「見せていた時代」がありました。
先生たちが一人1台ずつフィルムのコンパクトカメラを持っていて、撮影をして、それを紙に印刷して1学期に1回ずつぐらい整理をしてました。
それは、自分たちの保育の振り返りにもなるしということで、保育の記録という意味で写真を撮っていたんです。
その写真を模造紙に貼ってコメントを付けて、思い出ギャラリー(保護者が見れる機会)の時に出していたら、保護者から「この写真が欲しい」っていう話がありました。
ただ、その頃はネガ(フィルム)でやっていて、「欲しい写真のネガを私が探すのは無理だけど、(保護者に)ネガを貸しましょう」って言って1年分のネガを希望する方に貸しました。そして保護者がネガから自分で調べて欲しい写真を買っていたんです。
そこからデジタルカメラができて、ホームページを最初に作ったのが1998年、かな。
2000年ぐらいから徐々にデジタルカメラを使っていって、それをホームページに載せていたら、保護者の中から写真が欲しいという話になりました。幼稚園で販売するのは手間だから「駄目だよ」って言ってたんだけど、ネットでの写真販売を紹介していただいたのでやりはじめました。
——イベントや行事だけでなく、園での生活も保護者さまにとても需要があるんですね。
イベントの時はしっかりした写真屋(撮影事業者・写真館)さんがいらっしゃるから、その人たちにお願いをしています。それとはまた別の世界のところで、普段の園生活における子ども・園の保育の姿をスナップスナップにお願いしています。
※1 … 紙焼き:印画紙に写真をプリントすること
スナップスナップで普段の園生活の写真を販売し始めて、保護者さまから写真に関して何かご意見などありましたか?
なんていうのかな。写真販売が当たり前のことなので、それがいいですよとか悪いですよっていうのは一切ないです。
例えば外で泥んこになって遊んでいる写真だとか、園外保育でたけのこ掘りに行って、たけのこを掘っている姿とか。普段見ることのない子どもたちの姿がありのままで出てきてるから、保護者は「この写真が欲しい」と思う。それが原点で、はじめたことなので特別なことではないですね。
一回だけデータをすっ飛ばしちゃったことがあって、保護者から「枚数が少ないんですけど、今月は…」っていう風に言われたことはあります。大体平均して少ない月でも各クラス5、600枚をあげてるから、きっとそれが当たり前のように捉えてくれているのでしょうね。
撮影はどのように行ってるんでしょうか?
(先生が)一人1台ずつカメラを持っているので、先生が全部やってます。
例えばたんぽぽ組のたんぽぽクラスのフォルダには、先生が撮った写真しか入ってないです。
——どの写真もクオリティが高く、統一感があるので吉原先生が撮っているのかと思いました。
私は全然撮らないんです。最後にデータを確認するのは、私の作業としてやるけれど。
今月はどういう風に生活してたのかなと、あげてはまずい写真はないかなっていうのは責任として確認をしています。
子ども一人一人に合わせた素敵な写真が本当に多いと感じるのですが、職員の方に撮影方法のアドバイスをされているのでしょうか?
しないですね。
それはもう伝統みたいなもので、今まで培ってきたものですね。
——もう40年近く続けていらっしゃるのですね。
はい、さっき言った紙焼きから始まっていますからね。最初は私が暇な頃は撮ってたんだけど、それは保育の記録にはならないと思うんです。
保育の記録を写真で残すことのこだわりはありますか?
こだわりというか、映像的なものは絶対しなきゃいけなかったと感じていました。
実は幼稚園の仕事を始める前に出版社にいたんです。写真の本を作る時にカメラマンから写真を借りて制作していたので、その映像が持つ力をよく知っています。
自分が幼稚園の仕事を行った時に、まず最初に「何をやっているかってことを伝えなきゃいけない」と思いました。
普段保護者が見ることのない園生活の中で、子どもたちがすごくいい育ちをしていたり、いい顔をしていて、すごく楽しんでいるっていうのがたくさんあるので、そういうのを伝えることが言葉だけではない、映像(写真)として伝えたい。それをすることで、うちの保育の姿を理解をしてもらえるんだなって思って、実行したのが今に繋がっています。
うちでの保育の姿だとか、やっている保育がどういう子どもに育てたいのか伝わるので、今月はこういう保育をして、こういう風に子どもたちが生活してたんですよっていうのを伝えたいがためにやっているわけです。
——先生が撮るっていうのが大事なんですね。
そうだと思います。やっぱり先生が撮るから子どもたちはいい笑顔を向けてくれますね。
どんなにカメラの上手いカメラマンが来ても、子どもたちが心を許すかって言ったら、なかなか難しい部分もあるものなので。うちが撮影している写真は子どもと先生の心が繋がっている時のものだから、ああいう表情になるんだと思います。
先生たちに技術の話はもちろんしたことはないし、ただ下手な鉄砲も数うちゃ当たるじゃないけど、新人の時にでもずっとたくさん撮影していると、だんだん上手になるんだと思いますよ。

写真を撮影するきっかけのお話から保護者との関わりを大切にしていることが伝わってきました
スナップスナップを、導入して良かったなって感じるポイントはありますか?
システム的には基本的にはどこを使っても同じですね。
だからあとは写真をアップをして公開になるまで日にちが早いか遅いかってくらいの違いかな。アップしてから公開までの日数が短い方がありがたいです。
うちの場合は、(毎月先生写真の販売が)あって当たり前だから、だいたい月末に整理をして、月末、もしくは翌月の頭にアップをして、3日4日ぐらいの間に保護者の方には公開ができています。
写真の閲覧の日数は、基本的に3ヶ月と決めているので、できるだけ早く見てもらいたなと思っています。
——確かに毎月たくさんの写真をアップして販売していただいてます。クラスごとに撮影枚数がバラつくと思うのですが、調整などはされますか?
全然調整もしてないので、多いクラスもあれば少ないクラスもあります。
先生たちに強制をして撮るものじゃないから、先生の意思に任せています。何枚撮りなさいとか、今月の目標は1000枚でとか言ったことはなく、自分の意志にまかせています。
でも、例えば一方は100枚、もう一方は1000枚っていうことはないですね。大体似通った数字にはなります。多くても2倍差があります、なんてことはないですね。
——撮影することが先生方に、深く浸透しているのですね。
先生が子どもの記録を残そうっていう気持ちになってないと駄目だなと思っています。そういう気持ちを持つと、「撮らなきゃ」じゃなくて自然に「あ、今撮っとこ」っていう風になるので、そこが大切ですね。
だから普段の保育の中で先生が「これが自分の保育の記録になるな」とか「この表情って残しておいてあげたいな」とか、が強制されるのではなく自然にできないと、枚数をたくさん撮れないだろうし、いい写真はできないなっていうのはずっと思っています。
何十年もそういう風にやってきて、強制は1回もしたことないし、強制してもおそらく駄目だろうなと思っています。写真を撮ることに集中して、保育のことがおろそかになってしまったら本末転倒なので。
保育をやっていく。「今何か残したいな」って思うかどうか。それは先生が育っていないといけないんだと思います。
うちは1年目で担任を持つことがないので、副担任として1年間、写真を撮ったりしている中から、育つというか、身につけていってもらってます。だから担任になってもそういうのが自然にできるようになるのかもしれないですね。
保育に対する姿勢や思いが、写真として残すことに繋がってるんですね。
写真を撮るのがどうしても負担になってしまうという方もいらっしゃる中で、吉原先生の考え方、とても素敵だと思います。
(写真を撮るのが負担になってしまう)そうだと思います。それは当たり前です。例えば園で親に販売するから、親に見てもらうから、写真を撮れって言われたら負担ですよね。
保育をやっている最中に写真を撮れって言われたら、それこそ苦痛であって、先生が「今撮りたいな」とか「残したいな」っていう気持ちが生まれないと思います。
子どもの方も、じゃあこれから写真撮るからねってやれば、作ったポーズになっちゃうけど、自然のうちに撮ってると、撮る側も撮られる側も当たり前になってきて、全然意識しなくなるんですよ。
保護者さまとのエピソードは他にどんなものがありますか?
先ほど話したように、紙焼きの時代に、何千枚と写真を並べた時、「この写真が欲しいから何とかして」「そんな(ネガから探して印刷から配布までなんて)私できないよ」というやりとりがあり、ネガを渡したんです。
その時の保護者が何十本とあったネガから自分の子どもの写っている写真を探してたんですよ。あの当時の保護者はすごかったと思います。
——そこから比べると、スナップスナップは「かお検索(※2)」機能があるので、考えられないような話ですね。
考えられないですね。
だから逆に言うと、もうそういうことができているから便利ですね。
それと同時に「うちの幼稚園はオープンですよね」と言われたことがあります。どういうことかというと、保育がクローズになっていないという意味です。
クラスでどういう園生活をしているのかっていうのが、写真を見れば一目瞭然分かる。参観日ではなく、園生活が公開されているということが「宮久保幼稚園はオープンですよね」って言われることにも繋がっているんだなと思います。

※2 … かお検索:お子さまの顔に近しいと認識された写真を表示させる検索機能です。
——本当にそう思います。大事な子どもを預ける上でそういった取り組みがあるかないかといったら、保護者さまからの信頼度に大きく影響しますね。
そうですね。
だから、転園してきた子の保護者から、「あんなにいっぱい写真あるんですね」って言われたこともありますよ。
公開するんだったら、やっぱり10枚、20枚じゃなくて、たくさん公開する方がベストだし、公開しないんだったら公開しない方がいいのかもしれない。中途半端が一番よくないと思います。
スナップスナップを使い続けている理由などはありますか?
正直にいうと、たまたま使い始めて不便を感じていないので、今から別のサービスに変えるとなるとちょっと手間がかかりますよね。
——実にリアルな…。
ぜひ長く続けていただきたいなと思います。
問題があれば、やっぱり変えないと、とは思っています。
過去問題があるから変えてきましたからね、今のところ問題はないから使い続けています。
問題が起こったら即変えます。全然変化を好まない方ではないので基本的には変えることは厭いません。
基本的にはどこも一緒なんです。それが、公開が早いとか、値段的にどうこうというのも、大体どこも似たりよったりですね。
(判断基準としては)いい加減にやっていないのか、それからきちっとある程度公開のスピードがあるのかっていうことがポイントと思っています。基本的にスナップスナップは問題ないですね。
「園の生活を伝える」そのために写真という手段を使い、スナップスナップを利用しているという宮久保幼稚園さま。保護者さまへ「保育の様子を伝える」ことへの熱いお気持ちを聞かせていただきました。
スナップスナップが写真を通して子どもの成長を伝えるお手伝いができること、とても嬉しく思います。今後も安心・安全なサービスとして保護者さまへ「保育の様子を伝える」ことのお手伝いができるように尽力して参ります。

吉原先生、貴重なお話ありがとうございました
※2023年2月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※インタビューの内容は掲載時点のものです。